
近くに建つ老夫婦が暮らされている古館。
北側の裏庭に立派な芭蕉の木が育っている。
昔は、よく手入れされたお屋敷だったが、いつの頃からか家も庭も少し荒れた感じに。
ずいぶん前に焼杉だった外壁も一部鋼板に囲われてしまった。
頑張って手を尽くしてみても、刻と歳には勝てないのかもしれない。
だけど、それでも僕は、窓から見えるこの御宅が好きだ。
駅前の高級タワー・マンションなんかより、よほどに美しいと想う。
晴れた夏の盛り。
夕刻、海風に吹かれた芭蕉の葉が揺れながら強い西陽を遮る。
雨の日は、雨樋みたく大きく広げた葉を伝って地面に雨水が流れ落ちる。
そして、花が咲き滋養豊かな実が房となって実る。

長い年月、家屋と共に役割を担いながら老いた家人の営みを見守っていく。
この古館と芭蕉との似合の風情は、こうして育まれたのだろう。
こんな想いを抱きながら、朝に夕に眺めていたのだが。
いつまでも指を咥えて眺めていてもしょうがない。
ってことで、芭蕉( Banana ) の木を育ててみることにした。
とりあえず、小さめの Dwarf Monkey Banana で我慢しとくかぁ。


