月別アーカイブ: July 2021

五百八十一話 狂騒の時代が、今にもたらした惨事

Cornelius 小山田圭吾に続いて、Rahmens 小林賢太郎までもかぁ! 音楽・演出担当の辞任解任という東京五輪開会式を明日に控えてのこの惨事。 まぁ、そりゃぁ、こうなるわなぁ。 何者なのか?と訊かれて。 九〇年代の Sub Culture Scene を想起しない業界関係者はまず日本にはいないだろう。 では、このふたりが傾倒し担った九〇年代の Sub Culture とは何だったのか? 九〇年代は、写真にある Sub Culture 史の中でも特異で異様な時代だった。 その表現には、大抵の場合、世紀末・悪趣味・鬼畜・叛逆などの言葉が躍る。 狂気に満ちたこの時代の提唱者だった故・村崎百郎さんの言葉を借りると。 “ 徹頭徹尾加害者であることを選び、己の快楽原則に忠実に生きる利己的なライフスタイル ” この文脈が全てを語っているかどうかは疑わしいが、何らかの闇を孕んでいたには違いない。 それは、倫理的に完全に間違った闇で、次世紀に於いて決して容認されない闇だった。 しかし、九〇年代。 創作に関わる分野で、こうした闇に救いを求めたひとは多くいたと記憶している。 自身も決して無縁だったとは言い切れない。 そして、今でも周りには 九〇年代の Sub Culture を引きずっているデザイナーがいるのも事実だ。 そこで、今回の惨事である。 九〇年代の Sub Culture を全く理解していなかった人達が、人選したとしても許されない。 そもそも Sub Culture とは、主流文化の価値観に反する少数集団を担い手とする文化である。 … 続きを読む

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五百八十話 接種完了!

初回接種から三週間経った昨日、二回目の接種を終えた。 一夜明けて。 腕は痛いものの、なんの変化もなし。 頭が痛いわけでもないし、熱があるわけでもないし、身体がだるいわけでもない。 こんな調子で、抗体できんのかなぁ? 副反応があったらあったで鬱陶しいし、逆になかったらないで効果を疑う。 ワクチンとは、結構面倒臭い代物だ。 しかし、先端科学技術の結晶を我身をもって体感できるというのは、ちょっと嬉しい。 昔、接種時に小学校で教わったワクチンの原理を思い出した。 感染した状況を擬似的に誘発させ、対抗する免疫を人為的に体内で形成させる手段である。 そう述べた保健教員に対して、同級のひとりが歓声をあげた。 「仮面ライダーや!」 生体置換技術によって身体を変異させ武装強化するという発想は、確かに近いかもしれない。 この同級生にとっては、注射の恐怖より仮面ライダーへの期待と感動の方が遥かに大きかった。 そして、残念なことに仮面ライダーにはなれなかったが、後に生化学の研究者としては成功した。 そんな頃から半世紀経った今、人類はコロナ禍を生きている。 地球規模の大量ワクチンを一日も早く!を、世界は願ったけれど。 それには、ウイルスを大量に培養し複製しなければならない。 隔離製造施設建設を含め膨大な時間を要する旧来型の手法では、到底間に合わないのではないか? 実際そういう報道もされていた中、 人類は、“ Messenger RNA Vaccine ” なるものを生み出した。 スパイク蛋白質の設計図を脂質の殻で保護し、人体に送り込む。 設計図に基づいたスパイク蛋白質が体内で形成され、免疫の発動を促し抗体をつくる。 しかも、スパイク蛋白質( mRNA )は、分解し人間のDNAが存在する細胞核には侵入できない。 よって、ヒトの細胞内に取り込まれることはないとされている。 結果、攻撃方法を覚えこまされた免疫細胞が、効率的にウイルスを撃退するという。 もちろん “ Messenger RNA Vaccine ” 作成には、ウイルスそのものは必要としない。 培養も複製の手間も要らず、遺伝子情報だけで開発が進められる。 … 続きを読む

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