
新しい節を迎えるために炒った大豆の古い皮を剥ぐ。
だから、旧作がどうであれ新作にすべてを賭ける興行師にとっても、これは大切な儀式なのだ。
幼い頃そう言い聞かされた覚えがある。
蠟梅薫る立春、二月四日の前夜に執り行う。

魔除けの大豆を用意して、鬼遣(おにやらい)の鬼役は隣家の犬に担ってもらうことに。
よもや自分が鬼にされているとは知らぬまま、鬼の面を被せられての強制参加。

海辺の家の出入口三箇所で、鬼は外、福は内。
願いを込めて豆を蒔く。
そうして、災いを退け、幸福を招いた後の晩飯。

献立は、 鰯の梅煮と恵方巻。
二〇二六年節分の厄除、平穏でありますように。


