月別アーカイブ: January 2020

五百四十二話 西か?東か?

東のひとは、鰻と豚は関東の方が旨いと言う。 確かにそれはそうかもしれない。 鰻の調理方法は、東西で端から異なる。 東は背から、西は腹から、という具合で開くところから逆で。 武家と商人、社会の違いから、武家中心の東では腹を割くことを嫌ったとか。 職人の腕の差から、容易く開ける背開きの方が好まれたとか。 諸説知られているが、とにかく違う。 腹から開くと脂が逃げるので、ふっくらさせるには背からとなるのかもしれない。 そして、おおきく異なるのが、蒸すか蒸さないかで。 東は、焼く前に鰻を蒸しておく、西は、蒸すという過程がそもそもにない。 事前に蒸しておいた方が、注文から供するまでの時間を短縮できるからとか。 一度加熱してあるので、たれを浸けて焼いても焦げにくいとか。 蒸して膨らんでいるので、鰻の図体がおおきく見栄えがするとか。 と、これにもいろいろと諸説ある。 いづれにしても、東の方が、ふっくらとほくほくしているのは間違いない。 で、どちらが好みか? “ 大江戸 ” “ 野田岩 ” “ みなと” “ 青葉 ” 訊かれてあたまに浮かぶ鰻屋といえば、これらの店屋なのだが。 どの店屋も関東流の鰻を供する。 どこかに、納得させる関西流の鰻屋はないものか?ずっとそう想っていたのだが。 意外と近場の足下に在った。 海辺の家から車で一〇分ほど、明石 “ 魚の棚 ” に構える鰻屋 “ 黒谷 ” 料理屋としては、まだ一年ちょっとの若い店屋ではあるけれど。 黒谷商店の屋号で七〇年以上蒲焼を販売してきた老舗を親に持ち、その隣で始められた。 暖簾を潜ると贅沢な白木の設で。 まだ飴色に育ってはいないものの、上品でピリッとした雰囲気が良い。 … 続きを読む

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五百四十一話 無事、終わりました。

“ 遠い昔、はるか彼方の銀河系で…………. ” 一九七七年、STAR WARS Episode IV 。 日本公開は、翌年の七八年。 大学に入ったばかりの頃で、ゼミで一緒だった女子を誘って劇場へと足を運んだ。 あれから、もう四〇年以上刻は経つ。 この物語を、いったい誰がどうやって終わらせるのか? 創案者である George Lucas ですら途中投出しかけた難解な宇宙歴史劇の終幕である。 世界中の誰もが知る物語だけに、観る側の興味はそこに集まる。 Episode  IV からの観客にとっては、無事にちゃんと終わって欲しいというのが願いだろう。 難しい注文だ。 “ すべて、終わらせる。” この至上命題を担ったのが、J.J. Abrams 監督。 僕も、“ STAR TREK ” の二作品を観て以来、多分この方なんだろうという予感はあった。 STAR WARS では、前々作 “ The Force Awakens ” に続いて、 監督・脚本・製作を務める。 … 続きを読む

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五百四十話 明けましておめでとうございます。

二〇二〇年一月一日。 明けましておめでとうございます。 まったくの私事なんだけれど。 一九六〇年一月二四日に生まれたから、今年は子年の年男になる。 年男なんだから、当然の事ながら年神様の御加護をひとよりたくさん受けるはずだ。 さらに、六〇年で干支が一回りして、再び生まれた年の干支にかえってきた。 還暦で、これもまぁ、めでたいんだろう。 が、しかし、おとこは、数え年の六一歳に災厄に見舞われると聞く。 平安の世より厄年として定められていて、お祓いをしなければならないほどにヤバイらしい。 年男で、還暦で、厄年って? 俺は、どうなるんだろう? 良くも悪くも、どうなったところでたいした噺じゃないにしても、気にはなる。 自慢じゃないが、気は人一倍ちいさい。 とにかく、急いで初詣に行こう。 そして、賽銭をはずもう。 渡る世間も銭しだいで、どっちに転ぶか決まるはずだ! くだらない私事はさておき、みなさまにとってこの年が良き年となりますように。  

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