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六百十九話 早春

立春の朝。 残り咲く野生の菊。 今が盛りの水仙。 嫁が育てているオレンジ色のヒヤシンス。 そして、部屋の奥へとのびる春陽。 いい感じの海辺の家で。    

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六百一〇話 琉球の花

市場の花屋で、変な実を見つけたので買ってみた。 意外と植物に詳しい嫁に訊く。 「何の実か知ってる?」 「これって、ゲットウじゃないかなぁ」 「月に桃で、月桃」 「わたしも初めて見たけど、花材としてこんなのがあるって聞いたような気がするけど」 言われたとおり “ 月桃 ” で検索してみた。 なるほどこれだわ。 熱帯から亜熱帯亜細亜に分布する生姜科の植物。 沖縄では生活に密着したハーブで、飲料用、食用、滋養保健、薬用として広く用いられている。 栽培されているのではなく、冬至の頃、野生の月桃を大量に収穫するらしい。 “ 月桃 ” という名は、台湾での漢名に由来する。 花の蕾が桃のような形をしていることから「月桃」と名づけられたようだ。 ほぉ〜、なかなか可憐な風情で野趣もある。 海辺の庭にも似合いそうで、欲しい。 調べてみると、自生の北限は、鹿児島県佐多岬とある。 まぁ、熱帯域 の植物だから仕方ないのだが、鉢植えは主義に反する。 地植えでなんとかしたい。 今までも、熱帯性の蘭から観葉植物までを外に放り出して飼い慣らしてきたんだから。 過去に、本州で地植えを試みたひとはいないのだろうか? さらに、調べてみる。 すると、やはり変態的な園芸家はいるものだ。 横浜で、一〇数年にわたって月桃の地植えに取り組んでいるという方の blog を見つけた。 冬の霜や夏の日照りの対策が詳しく綴られている。 横浜で出来るのなら神戸でも大丈夫だろう。 やってみよう! “ 月桃の花を眺めて、今年も梅雨の到来を知る ” なんて。 … 続きを読む

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六百三話 曲芸的庭師

庭の改庭作業もいよいよ大詰め。 最後に樹形を整えていく。 “ 庭のGypsy ” 橋口陽平君が。 「さぁ、もう少しですよ、頑張りましょう!」 って、確実に落ちたら死ぬ場所から励まされても、悪いんだけど無理だわぁ。 歳の問題じゃなくて、生まれもった Potential の有無だから。 一緒にしないでください。

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六百二話 満開!

そして、これが二〇二二年、海辺の家に咲く桜です。 二〇二二年四月二日夜。

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六百一話 SAKURA IN THE RAIN

二〇二二年三月二六日、雨。 海辺の庭に在る姥桜が、最初の 一輪を咲かせる。 見頃は、来週末くらいだろうけれど。 こうして、たった一輪、雨に打たれて咲く姿もなかなかに美しい。 さぁ、花見の支度でもするかぁ。    

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六百話 大地の呼吸?

海辺の庭。 昨年の暮れに、“ 庭の GYPSY ” 橋口陽平君と知り合って、指導を受けながら改庭を進めてきた。 彼も日本全国飛び回っているので、いつも一緒にとはいかないが、要所要所で手を貸してくれる。 ようやく下段の庭の法面も整い、後は植栽を残すところまできた。 次は、壁に San Francisco の錆びた解体トタン材が貼ってある上段の東側に取りかかる。 この場所には、大きな枝垂れ梅の老木があって、この季節には毎年花を咲かせてくれていた。 それが、数年前の台風で煽られ倒れて、手当の甲斐なく枯れてしまう。 根はそのままにした大きな切株があったので、抜根を GYPSY に依頼する。 弟子とふたりがかりで、二時間近くを要する作業 となる。 僕は、コロナ・ワクチンを前日に追加接種 したため、腕が上がらず役に立たないので眺めてるだけ。 抜根が終わり、根の先を調べ、さらに深くの土を掘り出し匂いを嗅ぐ GYPSY 。 「なにやってんの?」 「この木倒れた原因、台風だけじゃ無いですね」 「根の先が腐って弱っていたところを強風に煽られ倒されたんですね」 「切った後の根腐れじゃないの?」 「違いますね、この黒い土の匂いは有機ガスで、土壌の深い部分で発生しています」 「マジかぁ? なんでそんなことに?」 「コンクリート擁壁でしょうね、敷地端の土壌が呼吸不全になりガスが発生したのだと思います」 「で、どうすんの?」 まず、天穴を開けてガスを逃し呼吸を戻したうえで、脈を作って竹炭や切枝や落葉を仕込むらしい。 「それって、結構面倒だな 」 「䕃山さん、庭に対する考えを変えてください!」 「地上の植物の状態をよく見て、地下の土壌に起きている事象を想像しないと」 「落葉や剪定枝を生かしながら、自然に土壌を隅々まで良好な状態へと整えていきましょう」 「あっ、そうそう、僕、そういった話を、明日講演するんで聴きにきてくださいよ」 … 続きを読む

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五百九十二話 石の銀行?

庭のジプシーこと橋口陽平君からの業務連絡。 「明日、ご自宅にお迎えにあがりますので、それから銀行に行きましょう!」 「えっ、作庭料?前払いなの? 額にもよるけど銀行に行かなくても手元にあるけど」 「いやいや違いますよ、“ 石の銀行 ” にご一緒していただきたいんです」 「石?銀行?どこへ?」 翌日昼過ぎ、海辺の家に二トン・トラックに乗ったジプシーがやって来た。 “ 石の銀行 ” は、六甲山に在るという。 そもそも “ 石の銀行 ” とは何か? もともと、海辺の家から北東部に跨る六甲山系は、御影石の産地であった。 阪神間の “ 御影 ” とつく地名や駅名は、石の名称に由来する。 またこの辺りには、石塀などに高級石材である御影石をふんだんに使った邸宅群が多く残っていて。 それが、街に此処ならでは景観を映していた。 しかし、現在、六甲山麓部での石の採掘は厳しく制限されてしまう。 山からの供給は絶たれ、街では次々と建物が壊され、使われていた石材は廃棄物処理されていく。 地産の石がもたらした街並みも失われ、どこにでもある新興の風情と変わらなくなってしまう。 そう危惧した地元の石材屋が一計を案じた。 廃棄物の減量、景観の保護、需要者と供給者の相互利益を保証する組織の構築である。 需要者とは、この街で新たに創る構造物に石を利用したい者。 供給者とは、この街の既存構造物を壊して石を廃棄したい者。 前者には石の購入代金、後者には石の処理代金が、それぞれに発生する。 両者を繋ぎ、後者の石が前者に渡るようにすれば双方ともに利を得る。 そして、石は、姿を変えながらも街の構造物の一部として残り、景観はある程度維持されていく。 さらに、石は、捨てないのだから、その分廃棄物は減る。 需要者と供給者は、共に行員登録し組織の一員となり利用を許されるのだ。 なるほど、石屋が考えたにしては頭の柔らかい発想で、まさに “ … 続きを読む

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五百八十九話 庭のジプシーが、やって来た!

海辺の家の庭。 外出自粛の間、一部改庭も含めた修理をずっと進めてきて、最後に手付かずだった場所が残った。 三段になっている庭で、一番低く、窪んでいて、日当たりも良くなく、一般的な作庭には向かない。 ここに日陰ならではの庭を作ろうと思い立つ。 色々工夫し、労力も使い、刻も費やした結果、半分ほどはなんとか満足のいく出来に仕上がった。 が、そこから先がなにをやってもうまくいかない。 行き当たりばったりでやっていては、いつまで経っても形にならないのではないか? そこで、こうしたいという姿を絵にしてみた。 好き勝手に描いているうちに、素人がひとりでなんとかなる代物ではないと気づく。 先代からずっと庭の面倒をみてくれている庭師もいるにはいるのだが。 この庭に関しては、その熟練の腕も役どころが違うように思う。 洋の東西を問わない雑然とした雰囲気で、少し荒れた風体を醸した庭。 さすがにこれは無理かも。 そこで、たまたま別件で訪ねてきた建設会社の担当者に駄目もとで相談してみる。 “ 海辺の家 ” の改築で、 無理難題への免疫は充分に獲得していて、理解も素早い。 「あぁ、なるほどですね、䕃山さんとなら気の合う変な庭師をひとり知ってますよ」 「まぁ、気が合いすぎて、とんでもないことになるかもですけどね」 「マジでかぁ! 誰? 紹介して!」 「紹介はできますけど、今、日本にいるのかなぁ」 「はぁ? それって、外人の庭師なの?」 「いえ、日本人ですけど」 「 “ 庭のジプシー ” って呼ばれていて、いろんなところで庭を作って歩いてるひとなんですけどね」 「なんだぁ、それ? さすらいのカウボーイじゃなくて、庭師ってあんまり聞いたことないな」 「庭の話しかしない、まぁ、変わったひとですよ」 翌日、早速連絡してみる。 どうやら、米国で庭を作る予定だったのだが、このコロナ騒ぎで延期になった。 なので、当分の間国内で仕事をするつもりらしい。 とは言え、来週は北海道、翌週は東京でという具合で、その後にうかがうとの事だった。 … 続きを読む

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五百八十八話 庭の果実

海辺の家の庭に “ 柿 ”が生る。 隣の家の庭に “ あけび ” が生る。 持ち寄られた果実を盛ってみた。 秋だねぇ〜。 だけど、残念なことに “ 柿 ” も “ あけび ” も、どちらもそれほど好きじゃないという現実。

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五百八十五話 海辺の月見

二〇二一年九月二一日。 海辺の庭から見上げる満月。 で、ふたりぼっちの “ 観月の宴 ”。 侘しいので、弥勒菩薩さまにもお付き合いいただく。 とっておきの酒を、弥勒菩薩さま、嫁さん、僕で。 日本酒通の若い友人に勧められた秋田県新政酒造の “ 秋櫻 ”。 “ 鰯の梅煮 ” を肴に一献。 にしても、この酒うめぇなぁ。        

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