二百六十三話 Sneaker は、嫌いだけど。

やってぇ〜、やめてぇ〜、またやってぇ〜。
お懐かしゅうございます。
わかる人にはわかる、わからない人にはわからない。
語るも涙、聞くも涙の物語。
言葉に尽くせぬ想いを込めて、再びスポットライトの下に戻って参りました。
小此木達也でございます。
さぁ、さぁ、皆様、ステージの傍にお寄りくださいませ。
小此木達也ショー、絢爛の幕開けでございます。
題しまして、“ 帰って来た一発芸 ”。
それでは、終幕までよろしくお付合いくださいますようお願い申上げます。
ってな冗談も、今回限りにしてよね。
こう出たり入ったりされると、ほんと付合いづらい。
一方で、このデザイン力だけは、どうしても認めざるを得ない。
デニム生地を使用したフット・ウェアなんていう最も凡庸になりがちなアイテムも。
彼の手にかかれば、“耳”と呼ばれる “ selvedge ” を巧みに配して、こうなる。
流行の SLIP ON にいたっても、意匠を凝らす箇所は極めて限られている。
どうやったって、VANS の域を出ないと諦めてしまうところだが。
踵部分の仕様によって、SLIP ON 特有のフォールド感の甘さを解消したりとか。
国内外で高い人気を誇り、
Dior 社の Gourmmette-Chan の制作者としても知られるキャラクター・アーティスト “ tarout ” が、
プリント・グラフィックを担当していたりとか。
機能とデザインの両面で、高度な手が尽くされている。
MIYAKE DESIGN STUDIO 等、
日本モード界の総本山で磨かれた才能と技術が、この Sneaker には詰まっている。

“ White Flags ”

モードとか、ストリートとか。
そういった領域を越えて、小此木達也というひとりのクリエーターが提案する foot wear brand。
抜群の履心地と、気鋭のデザインを纏った High End Sneaker です。
この Sneaker、ほんと悪くないですよ。

Sneaker 嫌いの僕が言うんだから、間違いないよ。

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