
昭和から平成へと改まる頃、よくこの界隈を彷徨いていた。
射水市新湊地区 “ 内川 ”
海と海をつなぐ三キロほどの運河には、一四基の橋梁が架けられている。
その頃は、そこまでの橋数はなかったように想う。
両岸に漁船が係留されたかつての北前船中継地は、どこか Nostalgic な雰囲気が漂う港街だった。
そんな “ 内川 ” に惹かれて、訪れた際には漁師宿を一夜の塒として過ごす。
仕事を終えて、近くの居酒屋で旨い魚を食い、銭湯の湯に浸かり、朝は出漁の舟音で目を覚ます。
当時の雇い主には申し訳ないが、優雅な出張もあったものだと想う。
そして、あれから四〇年近く刻が経った先日、この懐かしい地を再び訪れた。

旧い漁師宅の内部を完全 Renovation し、洒落た内装に最新の設を備えた水辺の民家 HOTEL。
“ KAMOME TO UMINEKO ”
外観は変わりないが、漁師宿の煎餅布団とはまったく違う快適さに包まれる。

晩飯は、新湊港線 新町口駅近くの評判の割烹 “ かわぐち” へ。
宿からは、七分ほど歩けば着く。
富山湾特有の海底谷で獲れる白海老は、かき揚げで。
二日前から揚がり始めたという寒鰤は、鰤しゃぶで。
魚出汁に大根おろしを混ぜ入れ、切身をくぐらせる。
暮れの脂がのりきった寒鰤も旨いけど、揚がり始めの方がそこまで諄くなく好みに合う。
天然の生簀と称される富山湾。
最高に贅沢な冬の味覚を堪能させてもらえた。
越中の冬旅はまだまだ続く。


