二百八十話 百鬼夜行の A Midsummer night’s dream  

昨年の夏頃だったかなぁ。
OVER THE STRIPES の大嶺さんと飯を喰っていた時。
「これから、何が流行るんだろう? っていうか、何が売れるんだろう?」
「さぁ〜、ほんとどうなんでしょうねぇ」
まったく、当事者意識を欠いた無責任にもほどがあるオジサンふたりのやりとりである。
「なんてことないジーンズと、白シャツみたいな感じじゃないですかねぇ」
「へぇ〜、そうなの、ミニマルとかっていうやつ?」
「大嶺さんって、そういうの好き?」
「嫌い!」
「だよねぇ、どうでもいいけど、この豚肉のソテー美味しいよねぇ」
「蔭山さんは、そういうのどうですか?」
「昔は牛肉派だったけど、今は豚肉が主かなぁ」
「いや、そっちじゃなくて、ジーンズと白シャツの話なんだけど」
「あぁ、それ、嫌い!」
「じゃぁ、なんか創る? ちょっと笑えるようなやつでも?」
「それ、いいかも」
「それにしても、この豚肉、ほんと旨いわぁ」
「おかわりしますぅ?」
こういった、な〜んの危機感もない、な〜んの勝算もない、服創りが始まって出来たのが、これ。

背裏のどっかで Musée du Dragon の龍が、街をぶっ壊していて、そんな惨状にも PGGR は無関心。
背景は僕が、初公開の帽子を脱いだ PGGR は、大嶺さんが描いた。
このパンクなヘアー・スタイル、どっかで見たような気がするけど、どこかは言えない。
そして、胸には、コサージュの替わりに ROCKY 君が。
そして、一着一着に、違ったキャラクターが用意されている。
PGGER やら、ROCKEY 君やら、いろんな怪しい奴がいて、素材も個々に違う。
あまりにブラック過ぎて、意味がわからないし、詳しくは言えない事情もある。
このフィギュアは、編物作家が、一点一点手で創ったという。
ただ、忙し過ぎて嫌になり、鎌倉に引込んで、当分出て来ない方なのだそうだ。
だから、もう手に入らない。
もちろん、着脱可能なので、他に付けて戴いても結構です。

釦は、缶バッチにしたかったんだけど、生地を傷めるので、共布で包んだ。
そして、I’M A MESS 。
夏場に、手にもって、いけないグラフィックをチラつかせて歩くのも良いし。
室内で、肌寒ければ、怪しいコサージュを胸に羽織れば良い。
カーディガンのような、燕尾服のような。
もはや、フォーマルなのかカジュアルなのかさえ不明だ。
オジサン達、そんなこと考えてませんから!
但し、服は隅々まで、ちゃんと仕立てありますよ。
こういうのって、マジに創るから面白いんで、手を抜けば、ただの馬鹿ですから。
いろんな怪しい奴らが登場する。
百鬼夜行の A Midsummer night’s dream です。

ゴールデン・ウィーク明けに発売予定なのだ。

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