六百十一話 闇夜に浮かぶ二条城

京都にはよく行くけど、二条城にはとんと縁がない。
いつから行ってないんだろう?っていうか、行ったことあったかなぁ?
と、いうほど縁がない場所だ。
洛中のど真ん中なので門前はよく通るが、中がどうなっているのかは知らない。
そんな二条城を、闇夜に輝かせようという催しがあるらしい。
「NAKED FLOWER 2022 秋 世界遺産 二条城」
文化庁移転記念事業として開催されるのだそうだ。
御池に在る骨董屋に頼んでいたモノを受け取るついでに向かうことにした。
六時半開演。
事前予約券だったので、あまり待たずに入場できたが、結構なひとの数だ。
鳳凰が、デジタル画像で蘇るという趣向の唐門をくぐって城内へ。
光で演出された名勝 二の丸庭園を散策しながら進む。
綺麗ではあるけれども幻想的というほど大袈裟なものではない。
まぁ、こんなもんだろう。
カップルや子供は盛り上るだろうが、感度が低めに設定されているこの歳の人間はそうはいかない。
内堀までやってきた。
立ち上がる石の城壁を屏風絵のように見立てたプロジェクションマッピングが展開される。
蓮子などの花々が投影されるなか、突然水飛沫があがった。
堀の中から巨大な鳳凰が登場し、石屏風の左から右へと飛び去っていく。
堀の水面にも映り込んで、スケール感はさらに倍増。
思わず感嘆の声があがった。
NAKED 村松亮太郎が創りだしたこの作品は、参加型のアート・プロジェクトでもあるという。
自分の花だったり、好みの色だったり、名前のクレジットだったりを映像に取り込めたりもする。
AIが何たるか?デジタル・アートが何たるか?を、欠片も知らない僕が語る術もないが。
新しいアートのかたちは、日々進化していて、想像を超えた異なる次元へと向かっているのだろう。
最初は、どうせ大したことないだろうと思っていたけれど、結構楽しめました。
来月もやっているので、興味のあるひとは是非!
行かれる時間帯は、開演すぐの方が良いと思います。
自然光が僅かに残る宵闇の方が、デジタル投影される光が曖昧に和らぎ美しい。
また、観る位置は、作品によって最良の場所を確保した方が迫力ある映像が楽しめます。

ご参考まで。

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