五百七十三話 酒と薔薇の日々?

 

“ 海辺の家 ”
西の端にずっと昔から植っていた薔薇。
正直なところこうしてあったことすら忘れていた。
坂の下に広がる海を眺めようと、今回の改築で壁を抜いて窓を設けたところこんな感じに。
二〇年以上前に、義父が散歩の途中で摘んできた薔薇を挿木して大きく育てたらしい。
屋内に入り込んできそうなほどに咲く薔薇。
鑑賞用に品種改良を重ねた今時の薔薇ではないけれど、 昭和な風情で古館によく似合う。
大酒飲みの親父が遺した薔薇。
“ 酒と薔薇の日々 ”ってかぁ?

似合わない!

 

 

 

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