四百八十五話 奮闘中!

桜の花が散って。
こうして、藤が垂れてもまだ終わらない。
ほんとうに面倒臭い。
法人解散というなんの生産性も伴わない作業に没頭している。
賢い先輩から。
「そんなもの休眠させて、放っとけばいいじゃん」
まぁ、それはそうなんだろうけれど。
この法人は俺が創ったものでも始めたものでもない。
先代の親父から継いだものだから、中途半端に投げ出すのも寝覚めが悪い。
事業会社の解散も、ひとの葬儀も似たようなものだと想う。
ちゃんと始末をつけなければ。
だけど、もうちょっと楽にやれるようにならないものか?

この国には九〇〇〇〇社ちかく営業実態のない会社があるというのも頷ける。

 

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