二百六十九話 林檎が腐ったぁ!

困った、ほんとに困った。
遂に、この時がきた。
愛用の Mac が逝く。
しかも、データが取出せない。
Time Machine で、バックアップされていたはずのデータも、破壊されていて。
どうにもこうにも、にっちもさっちも、いかない。
そもそも、こんなトラブルに対処できる知識の欠片も持合わせていない。
この blog は、もちろん、仕事も、連絡も、ままならない。
こんな箱ひとつで、こんなにも困るなんて。
いつも、なんか困った事があると、御客さんを頼る。
悪い癖で、いけないと承知しつつも、大抵の場合そうなる。
長年 Musée du Dragon をお支え戴いた顧客様方。
医療、教育、建築、出版、デザイン、サービス、マスメディア、芸能、法曹等、果ては宗教まで。
あらゆる業界に於いて、一流の方々がおられる。
今回も、困っていると言うと、日曜日だというのに来て下さった。
「なんとかなりますか?」
「重傷だね、買替えないと無理だと思うけど」
「買替えるのはいいんですけど、中身のデーターは大丈夫ですか?」
「そっちも、此処で、今となると、かなり厳しいねぇ」
「マジですかぁ? お願いしますよ」
「まぁ、出来る限り手を尽くしてあげるから」
携帯電話で、どっかの誰かと話しながら作業されているけど。
とても人間が操る言語とは思えなくて、一体なんの話なのかさっぱり解らない。
さっきまで真っ暗だった画面には、使っていた六年間一度も見た事もない画面が映しだされていて。
「あのぉ〜、これって、なにされてんですか?」
「う〜ん、まぁ、いろいろと」
「あっ、すいません、馬鹿に説明しても手間なだけですよねぇ、続けてください 」
で、結局のところ、愛用の腐った林檎は諦めることになり。
Mac は、Leopard から、Mavericks になった。
とても進化を遂げているんだろうけど、僕には猫に小判みたいなもんだろう

そして、御客様は、大切な休日が、朝から晩まで丸一日潰れただけでは済まず。
翌日も、仕事帰りに来て下さって、日付が変る夜中まで。
「なんとか、データは無事救出したから大丈夫だよ」
「ほんと、ありがとうございます」
「後もう一息だから、他のとの環境を整えるだけだからね」
「えっ? 環境? 整えるぅ?」
「いや、まぁ、とにかく、次の日曜日また来てあげるから」
なんか、さっぱり状況が掴めないが。
とにかく、こうして、無事 blog を再開している。

本当に,感謝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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