二百三十一話 俺の拳銃が見えねぇのか?

⎡見えません!全然見えませんから!⎦
⎡っていうか、もうちょっと離れて⎦
⎡ここんとこ、細けぇもんが見えづらいから⎦
言っとくけど。
パンツの中に仕込まれた濱中君ご自慢のマグナムの話じゃないよ。
俺、そっち系興味ねぇから。
この迷彩に “ roar ” のアイコンである Cross Gun が刻まれてるって言うんだけど。
何処に?

えっ、これ?
これはもう、見ろというより、探せというべきだよなぁ。
ここまで微細だと、そこに何かの企画意図があるのかと勘ぐりたくもなる。
きっとあるんだろうけど、僕は知らない。
では何故 Musée du Dragon に於いて、この Hooded Parkaを取扱うのか?
その理由は、迷彩柄だからでもなく、拳銃が微細だからでもない。
ずばりシルエットで、その一点に尽きる。
だから、袖を通さなければ、ただの迷彩の Hooded Parka に過ぎない。
全く伸縮性のない Army Cloth を用いながら、ぎりぎりコンパクトに仕立ている。
筒付け仕様の袖など、随所に施された可動を維持するための工夫が、それを可能にする。
ただ細身に創られただけの単純な Hooded Parka ではない。
多くの人が、roar の Hooded Parka に惹かれるのは、そこに理由があるのではと思う。
あんまり褒めるのも噓臭いけど。
そのカッコ良さにおいて。
roar の Hooded Parka は、国内外のどのブランドと引き比べても見劣りしない。
ただ、ひとつだけ問題がある。
今回のこれ、僕、入んないよ。
なので、ちょっと説得力に欠けるけど、一度お客様ご自身でお試しください。

ところで、濱中君、最近マグナムの調子どうよ?

カテゴリー:   パーマリンク