六百四十四話 Calla ?

九〇歳になられる友人の母親からなんか描いてと頼まれた。
「えぇ〜、なんかって何描くの?」
「これ!描ける?」
“ Calla ” の写真が携帯に送られてきた。
ちょうど都内の仏料理屋で昼食中だったらしい。
ちょうど目の前の食卓にたまたま生けてあったのが “ Calla ” だったようだ 。
そこそこ雑な注文だなぁと思いながらも。
「そりゃぁ、描けますよ、それなりの腕してんだから」
「号お幾ら?年金暮らしなんだから出来るだけお安くね」
都内の一等地で暮らし、昼から☆付の仏料理食ってる方の台詞とも思えない。
まぁでも、せっかくそう言っていただいたんだから描いてみることにする。
普段植物画を描く際は、実物を眺めて正確にそのかたちを映す。
だいたいが海辺の家の庭に咲く植物を描くのだが、あいにくと  “ Calla ” は植わっていない。
画像検索してみたところ、花の写真ばかりで葉形や根の形状がいまいち不明だ。
解説文に、葉は里芋に似ており、根は球根上部より張ると記されている。
よく解らんが、葉は里芋を参考にして、tulip 球根の上部から根を描いてみるかぁ。
おぉ、筆を進めると、なんか “ Calla ” な感じに仕上がってきた気がしなくもない。
気に入っていただけるかどうかは知らんけど、とりあえずこれで筆をおく。
お待たせしました。
“ Calla ” みたいな水彩画をお送りいたします。

おばさん、いつまでもお元気で!

 

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