四百四十四話 さて、これから。

ようやく、店の引渡しを終えた。
長年同じ場所で頑張ってきた甲斐もあって。
ビル側も、取引先も、 業者も、ほんとうに親身になって良くしてくれた。
大助かりです。
知合いからは、気をつけないと手仕舞いは揉めるぞと忠告されていたけれど。
そういったこともなく、気持ち良く終えられました。
此処で、また誰かが新たに商売を始められるんだろうと思う。
その誰かに伝えたい。
此処、家賃は結構高いけど、縁起は良いですよ。
なんせ、一年保てば上々と言われる梅田の一丁目で四〇年以上商うことが出来たんだから。
少々、商才に欠けるひとでもなんとかなるんじゃないかなぁ。
まぁ、頑張って稼いでください。
さて、これからだけど。
いろいろと身にあまる有難い話も頂戴して、正直迷っていますが。
とにかく、いろんな方に会って、いろんな話をお聞きして、世の中も見て。
そして、なにかしようとなったらやろうかと思っています。
口の悪い小僧もいて。
「なにも創らなくなった䕃山さんなんて、物分かりの悪いただのおっさんでしょ」
礼儀の知らない野郎で、失礼にもほどがある。

だけど、それもそうなのかも知れない。

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