六百三十二話 台風一過

 

台風七号が、海辺の家のほぼ真上を通り過ぎて一夜明けた今日。
心配してあれこれ備えたわりには、何事もなく拍子抜け。
それでも、風に煽られ引きちぎられた葉っぱや枝が、庭に散乱している。
本日は、一六日で送り盆。
日暮刻、盆の送り火を焚くのでそのままにしておくわけにもいかない。
汗だくの片付け作業を昼過ぎまで続けて終えた後。
ひと風呂浴びて、素麺を啜って、麦茶を飲みながら、縁側で吊り直した風鈴の音を聴く。

まったくもって、ただの爺いでしかない。

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