五百六十六話 須磨離宮

海辺の家に居た梅の老木が、二〇一八年の台風で倒れて以来、早春の庭が寂しくなった。
他所の梅でも眺めに行くかぁ。
皇室ゆかりの須磨離宮が近場で良いかもしれない。
ちょうど “ 寒梅会 ” が催されていて、その初日だった。
が、冬の花見は駄目だ!

眼前に海が広がる広大な庭園に、だ〜れもいない。
噴水だけが、派手に水飛沫をあげている。

やめろ!糞寒いわぁ!
薔薇の一輪も咲いていない。
肝心の  “ 寒梅会 ” も、写真では満開そうに写っているけれど嘘です。
ほとんど枯木状態で、このひと枝がようやくといった始末。

写真を撮そうにも撮すものもないので、池の鯉でも撮って気を紛らわせる。
挙句、“ 子供の森 ” で、人目の無いのを確認しながらひとりジャグリングをするという暴挙に。
情けないことに、これが一番楽しめた。

まぁ、良い運動になったと諦めるほかないわ!

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