六百四十三話 舞台 Odessa

今月の始め芝居を観にいく。
三谷幸喜作・演出 柿澤勇人 宮澤エマ 迫田孝也 出演。
“ Odessa ” 大阪公演初日。
中身もまったく知らず、ただ誘われるままに観た。
Odessa の地名から Ukraine 港湾都市のことで戦争に絡めた重たい話かと思ったけど違った。
そもそも舞台は、米国 Texas 州の Odessa という田舎町。
登場人物は、三人。
地元署の日系米国人女警官、鹿児島出身の殺人事件容疑者、偶然にも容疑者と同郷の通訳。
警官を宮澤エマさん、容疑者を迫田孝也さん、通役を柿澤勇人さんが演じている。
言語は、二つ。
日本語が解らない警官、英語が解らない容疑者、そして双方の言語が解る通訳。
真実は、一つ。
容疑者は、黒か?白か? 或いは、真実は白なんだけど実は黒?
この後、福岡、宮城と公演は続くので、結末には触れないでおく。
舞台は、 Texas 州の幹線道路沿いにある diner 。
警官が、言葉の通じない容疑者を通訳を介しながら聴取していく。
その奇妙なやりとりが進む中、繰り広げられる三つ巴の心理戦を描く密室劇。
米国の Odessa と日本の鹿児島、Global だけど Local という設定がまた絶妙。
二つの言語と二つの文化が交錯する言葉の世界。
なにがどう面白いか? 伝えることが儘ならないけれど、確かに笑える。
膨大な台詞を巧みに回す三人の演者も凄いが、劇作家 三谷幸喜先生の着想も素晴らしい。
字幕そのものが、演出の要としてど真ん中で用いられる舞台なんて今まであっただろうか?
このひとの頭の中身って、いったいどうなっているんだろう。

いやぁ〜、楽しませてもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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