月別アーカイブ: January 2022

五百九十五話 寿司屋の勘定

義父の祥月命日。 菩提寺での法要を終えて、明石の商店街をぶらつく。 祥月のこの日は、故人が好んだものを口にするようにしている。 遠州人気質そのままだった義父の嗜好は、いたって単純でわかりやすい。 まぁ、鰻にするか、寿司にするかだろうな。 三宮まで出向き、生前贔屓にしていた店屋を訪ねたいところだが、この寒空の下面倒臭い。 近場で済まそう。 魚の棚商店街は、菩提寺から海に向かってほど近い東西に軒を連ねる通りだ。 明石城築城の際、宮本武蔵の町割によって整備されたというから、その歴史は古い。 近隣客だけでなく、観光客も多く、昔ほどではないにせよ今でも賑わっている。 さて、鰻屋なら “ 黒谷 ” で、寿司屋なら “ 希凛 ” だな。 どちらも、名店で、人気も高い。 法要後、住職との世間話の盛上がり次第でどうなるかわからないので予約はしていない。 まずは、鰻屋から。 川魚店も営んでいる “ 黒谷 ” の鰻は、捌きも焼きも絶妙で旨い。 しかし、入口に “ 本日満席です ” の貼紙。 次に、寿司屋に。 “ 希凛 ” は、寿司屋激戦区の地元にあって新参であるものの、昨今では有名老舗店を凌ぐ勢いだ。 同じ屋号で、隣合わせに二店舗を営んでいる。 本店を覗く。 「ごめんなさい、満席なんです、隣で訊いてもらえますか?」 店主の指図通り、駄目元で隣へ。 「あぁ、ちょっと今日はぁ、いや、三〇分ほど時間をいただけるようでしたらなんとか」 … 続きを読む

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五百九十四話 あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。 二〇二二年、寅年。 多くは望まないけれど、気兼ねなく逢いたいひとに逢えるくらいの望みは叶えて欲しい。 本年が、皆様にとって、より良い年となりますように。

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