五百三十一話 解体

遂に、というかようやく解体に。
海辺の家です。
解体屋さんが、人力で 丁重に進めてくれる。
硝子板に、床材に、天板など、再び使う部材を取出し、いらないものは撤去。
これから、家を上げ、梁を新しく何本か追加し、基礎を補強していく。

棟木を見上げると、御幣があった。
上棟式に、棟梁が飾ったのだろう。
嫁に訊くと、二度目に増築した際の扇らしい。
それでも半世紀以上前の話で、その記憶も怪しいのだが。
海辺の家には、これまで四人の棟梁が係わってきた。
この度の改築で、五人目となる。
昭和、平成、改築を終える頃には新しい年号を迎えているはず。
齢 六六歳の古館。

なんとか無事に良い住処となりますように。

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