五百八十話 接種完了!

初回接種から三週間経った昨日、二回目の接種を終えた。
一夜明けて。
腕は痛いものの、なんの変化もなし。
頭が痛いわけでもないし、熱があるわけでもないし、身体がだるいわけでもない。
こんな調子で、抗体できんのかなぁ?
副反応があったらあったで鬱陶しいし、逆になかったらないで効果を疑う。
ワクチンとは、結構面倒臭い代物だ。
しかし、先端科学技術の結晶を我身をもって体感できるというのは、ちょっと嬉しい。
昔、接種時に小学校で教わったワクチンの原理を思い出した。
感染した状況を擬似的に誘発させ、対抗する免疫を人為的に体内で形成させる手段である。
そう述べた保健教員に対して、同級のひとりが歓声をあげた。
「仮面ライダーや!」
生体置換技術によって身体を変異させ武装強化するという発想は、確かに近いかもしれない。
この同級生にとっては、注射の恐怖より仮面ライダーへの期待と感動の方が遥かに大きかった。
そして、残念なことに仮面ライダーにはなれなかったが、後に生化学の研究者としては成功した。
そんな頃から半世紀経った今、人類はコロナ禍を生きている。
地球規模の大量ワクチンを一日も早く!を、世界は願ったけれど。
それには、ウイルスを大量に培養し複製しなければならない。
隔離製造施設建設を含め膨大な時間を要する旧来型の手法では、到底間に合わないのではないか?
実際そういう報道もされていた中、 人類は、“ Messenger RNA Vaccine ” なるものを生み出した。
スパイク蛋白質の設計図を脂質の殻で保護し、人体に送り込む。
設計図に基づいたスパイク蛋白質が体内で形成され、免疫の発動を促し抗体をつくる。
しかも、スパイク蛋白質( mRNA )は、分解し人間のDNAが存在する細胞核には侵入できない。
よって、ヒトの細胞内に取り込まれることはないとされている。
結果、攻撃方法を覚えこまされた免疫細胞が、効率的にウイルスを撃退するという。
もちろん “ Messenger RNA Vaccine ” 作成には、ウイルスそのものは必要としない。
培養も複製の手間も要らず、遺伝子情報だけで開発が進められる。
まるで、空想漫画の世界のようだが、今まさに自分の体内で起きている現実なのだ。
マジに凄い!
“ Messenger RNA Vaccine ” ごちそうさまです!
ありがとうございます。

よろしく、お願いしまぁ〜す!

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