五百四十一話 無事、終わりました。

“ 遠い昔、はるか彼方の銀河系で…………. ”
一九七七年、STAR WARS Episode IV 。
日本公開は、翌年の七八年。
大学に入ったばかりの頃で、ゼミで一緒だった女子を誘って劇場へと足を運んだ。
あれから、もう四〇年以上刻は経つ。
この物語を、いったい誰がどうやって終わらせるのか?
創案者である George Lucas ですら途中投出しかけた難解な宇宙歴史劇の終幕である。
世界中の誰もが知る物語だけに、観る側の興味はそこに集まる。
Episode  IV からの観客にとっては、無事にちゃんと終わって欲しいというのが願いだろう。
難しい注文だ。
“ すべて、終わらせる。” この至上命題を担ったのが、J.J. Abrams 監督。
僕も、“ STAR TREK ” の二作品を観て以来、多分この方なんだろうという予感はあった。
STAR WARS では、前々作 “ The Force Awakens ” に続いて、 監督・脚本・製作を務める。
この監督は、徹底した秘匿主義を貫くひとらしい。
物語の核心情報を可能な限り制限したその演出手法なしには、本作は成り立たないように思う。
四二年間のすべての出来事を、慎重に繋いで最後の台詞へと向かう。
“ おまえは、何者なのだ? ” と訊かれて、まさかの祖父をもつ主人公が答える。
“ Rey SKYWALKER ”
重く腑に落ちる見事な一言だった。
本編では、“ STAR TREK ” の Mr.Spock 同様、懐かしいかつての配役陣が次々と登場する。
“ Luke Skywalker ”
前作 “ The Last Jedi ” でも驚いたけど。
改めて拝顔すると、やっぱりジジイだわ!
あんなに童顔だった Luke ですらこうなるのだ。
で、観終わって、便所の鏡で自身を拝顔した。
すっかり暗黒面に堕ちたジジイの顔がそこに。
そして、ジジイの夜明けは、たぶんやってこない。

May the FORCE be with you.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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