四百五十三話 Bubbly Night in KOBE

後の世代にとっては、ほとほと迷惑な存在でしかない世代が未だこの国には生息している。
世の中は、いつだって幸福に満ちているもんだと信じて疑わない団塊の世代。
きっと今日より明日は良い日なんだと自分に言い聞かせて暮らしているバブル世代。
もう希望はないのだと諭しても聞き入れやしない。
こういう昭和の無形文化財的な人達には共通した好物があって。
その好物を眺めるとどんな嫌なことだって忘れられるらしい。
もうここまでくると、ちょっとした特技だといっても良い。
その好物のひとつが夜景。
なんせキラキラ光るものが堪らなく好きだ。
Disco Ball とか Mirror Ball とかそういった類の光物を想起させるのかもしれない。
まぁ、どちらも今や死語だけど。
そして、小洒落た外車を駆って山に登り夜景を見下ろせば、どんなおんなも落ちると確信している。
恥ずかしいのを通り超えて憐れみたくなるほどの馬鹿だ。
なんせ、夜景評論家などというふざけた肩書が通じた時代だったんだから。
先日、そんな馬鹿の好物を眺めようと世継山に登った。
夕刻、新神戸からロープウェイに乗って頂へ。
そして、陽が暮れると。

こうして、神戸の夜景が眼前に。
Bubbly Night in KOBE
綺麗は綺麗なんだけれど、国史上稀に見る不出来な世代の事情があたまを掠めたりもする。
悪気があったわけではないが、それだけに罪が重い。
これから先も。
浮かれた時代を知らない若い方々に、ご苦労をおかけすることになるのだろう。

ほんと、ごめんなさい。

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