四百二話 何処かへ

「なぁ、そうやって飯食いながら飯屋の blog 見るのやめれば」
「わたしのことは放っておいてぇ!」
嫁のご機嫌がこのところあまりよろしくない。
もちろん原因があって。
ここんとこ無茶苦茶に忙しく、旅はおろか飯屋にすら行けない生活が続いている。
もう何処でも良いから何処かへ行きたい。
そう思っているのは嫁だけではない。
そんなところへ、SLOWGUNの小林学さんから帽子が送られてきた。
独創的なフォルムを産み出すことで知れらる Pole Pole との共作らしい。
Pole Pole は、ご夫婦で運営されている帽子製作のアトリエで。
御主人の三浦さん には、なにか一緒にやりませんか?とお誘いいただいたことがある。
まだ実現出来ずにいるが、個人的に Pole Pole の人懐こいデザインをとても気に入っている。
この帽子も一見すると Mountain Hat なのだが、PUNK 感はそれほど主張されていない。
Crown 部分の凹凸も程よく抑えられていて、Brim は短めに返されている。
巻きの 網革ベルトは小林さんの仕業かもしれない。
Pole Pole らしくもあり、SLOWGUN らしくもある Felt Hat だと思う。
店頭に並べる前で気が引けたが、欲しくて買った。
「そんなの買ってどうすんの?」
「どうするって、被るしかねぇじゃん」
「どこにも出掛けられないのに?」

よほどに何処かへ行きたいらしい。

 

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