八十一話 タンポポンチョ?

今回の fiction by Musée du Dragon の話は、“ Greatest Botanic Hunter ”
妄想話の中身は、五十七話 “ Botanic Hunter ” をお読み下さい。
ただ無駄に長い話なので、よほど暇な時でないとイラッとします。
すでにイラッとした方には、ごめんなさいです。
森下公則氏との “ Hunter Pants ” に続いて第二弾を創りました。
その名を、⎡タンポポンチョ⎦という。
生理用品ではありません、“ Army Poncho ” です。
“ nude ”から発表された婦人服アイテムを原型としている。
デザイナーの丸山昌彦君とは、僕が Musée du Dragon を始めた頃に出逢う。
彼も超絶人気を誇ったスーパー・ブランドのデザイナーを退任して独立した直後だった。
紳士服の世界で生きてきたので、婦人服のデザイナーとの出逢いは新鮮で興味深かった。
婦人服の方が、制約が少なく、自由度が高い、何より華やかに思える。
互いの視点は異なるが、逆にそれが面白くて、よく一緒にモッズ・コートを作った。
昔からのお客様は、一着はお持ちなんじゃないかなぁ。
最近ご無沙汰だったが、久しぶりの共作となる。
原型がレディースなので変更箇所は各パーツに及ぶ。
フード周り、前立て、袖仕様と削るものは削り、軍用ファスナー等加えるものは加える。
男の欲求は、女の人は理解しない。
⎡締まりづらいけど、やっぱり軍用ファスナーはこうじゃないと⎦とか言うと。
⎡うぜぇ~よ、締まりづらいファスナーって不良品じゃん⎦
⎡馬鹿っかじゃないの?意味わかんないしぃ⎦とか言われる。
僕は女の人自体は好きだけど、この手の話は絶対にしない。
同様に、レディース・ブランドのデザイナーにも通じない事が多い。
だが、この辺りの微妙だが肝心な違いを、丸山君はよく心得ている。
⎡蔭山さん、このファスナーでどうですか?⎦
日本製らしいが、あまり見かけない代物である。
米国のヴィンテージ・ファスナーを復刻している小さな工房で作られているらしい。
こういった理解ある配慮が嬉しい。
もちろん、肝心の “ Army Poncho ”本体もすっかり男物として仕立て上がった。
最後に、不肖、私の名画⎡たんぽぽ⎦を背に手刷りして完成です。
この ⎡タンポポンチョ⎦ 袖が通せるので、貫頭衣型ポンチョよりもはるかに動きやすい。
また、フロント・ジップで着脱も容易になっている。
まぁ、Mods Parka と Poncho との混血と考えていただくと解り易いかもしれない。
Botanic Hunter の フィールド・ワークウェア的な発想から産まれたアイテムです。
スリム・チェック・パンツでも、サルエル・パンツでも、スウェット・パンツでも。
結構色んなスタイルに使えると思います。

⎡タンポポンチョ⎦ ひとつ宜しくです。

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