三百四十七話 明けましておめでとうございます。

皆様、新年おめでとうございます。

本年も Musee du  Dragon 並びにこの馬鹿 blog をよろしくお願い申し上げます。
さて、明けて早々どうでも良いはなしで恐縮なのですが。
今月、僕も五五歳になります。
たいした病にも罹らず、路頭に迷うこともなく、ひとつの稼業でぺろっと生きてきました。
ですが、これから先もずっと同じようにやっていくというわけにもいかない歳です。
ちょうど二十年前、父親に代わって家業に就き、始めたのがこの Musee du Dragon だった。
その際、自分の中で幾つか決めていたことがある。
そのひとつとして、五五歳を目処として営んでいこうと思っていた。
五五という年齢に、なにか特別な根拠があったわけではないけれど。
稼業の性質、生産場の事情、職人の年齢、市場の環境などを考えるとそうなるだろうと思っていた。
そして、現実はどうだったかと言うと。
想像していたより少し動きが早かったように思う。
特に、ここ二年間ほどはそうだったような気がする。
納得のいく仕事の水準を担保するのに、それまでの倍以上の労力と負荷が架かってしまう。
才と能が足りないと言われてしまえば、その通りなのだが。
正直、ちょっときつかった。
な〜んて。
正月からおっさんが愚痴っているのも、みっともない体裁なのでこれからについてを話させて戴く。
とにかく、今国内で叶う最高の技術を用いたものを、Musee du Dragon として創り扱っていく。
そうしていくと。
なにが出来てなにが出来ないのか?どうすれば出来るようになるのか?が、分かってくると思う。
その見極めを年内のいづれかの時点で終えたい。
そして、それをもって Musee du Dragon の幕を降ろしたいと考えている。
その後は、結果次第だろう。
三五年もの間、繊維の業界で飯を喰わせて戴いた。
幸か不幸か?他は何も知らない。
その繊維は、貧者の産業と言われて久しい。
豊か過ぎるほどに豊かになったこの国では、もうとうの昔にその役割を終えているのかもしれない。
だけど、そうした中で耐えて残ってきたヒトやモノへの敬意は忘れてはならないと思っている。
もうちょっとなにか出来るかもしれない。
そう思うのは、やっぱり分をわきまえない欲だろうか?

往生際の悪いはなしですが、もう少しお付合いください。
なので、本年も何卒宜しくお願い致します。

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