二百三十八話 Musée du Dragon 流

まぁ、服なんて代物は、好きなものを好きに着りゃぁ良い。
だから、店屋如きが、ああ着ろこう着ろと訊かれもしないのに口を挟むのもいかがなものか。
とも思うけど、中には店屋を信用して、尋ねていただく有難い御客様もおられる。
そういった場合、やっぱり他所ではやらない合わせ方を提案出来ないと、店屋として様にならない。
なので、ちょっと試してみる。
各アイテムに、全く性格の異なるブランドを配して、ひとつのスタイルに統べてみた。
まず、ノスタルジックなヴィンテージ・ウェアを、独自の解釈で仕立ていく SLOWGUN から。
英国ツィード・ヘリンボン・ストライプ素材のステンカラー・コートと同素材のヴェスト。
コートには、着脱式のボア襟ライナーが付属されている。
そして、ボトムは、男臭い BACKLASH 。
レザー・ブランドとして認知されているが、これはイタリアン・ジャガード・ニットのパンツ。
シャツは、欧州カントリー・サイドの風情を麻素材を用いて表現する Vlass Blomme から選ぶ。

ベルギー産コルトレイク・リネンに、欧州の伝統的花柄をあしらったシャツ。
そして、〆に。
パンキッシュで、ブラックな風刺が持味の OVER THE STRIPES のストールを。
なんたって、ピンクのゼブラ柄ですから。
ヴィンテージ系に、バイオレンス系に、カントリー系に、パンク系にと。
雑な表現だが、とにかくブランドの性格はバラバラ。
柄に於いても。
クラッシック・ストライプに、花柄に、迷彩に、挙句ゼブラ柄にと、滅茶苦茶だ。
だけど、これはこれで良くないですか?
Musée du Dragon 流、グランジ・スタイルなんだけど。

こういった楽しみ方も、たまには如何?

 

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