三百八十三話 普通の服って?

普通が一番なんだよねぇ。
最近、こういう間抜けなことを朝に夕に唱えている同業の者がいる。
まぁ、言いたいこともわからなくはないんだけれど。
服飾業界に於いて。
“ 普通 ” なんていう言葉がトレンドとして成立するのだろうか?
そもそも “ 普通 ” ってなんなのか?
言葉通りに解釈すれば。
“ 特筆すべき属性を有さないもの ” となる。
言い換えれば “ 凡庸 ” だろう。
一端の玄人が、そんなもん創ったり売ったりするんじゃねぇよ!
ほんとに横着極まりない始末である。
確かに、奇抜な格好や華美な格好が求められる時代ではない。
だからと言って普通はないんだろうと思う。
じゃぁ、どんなものが良いんだ?
いちいち説くのも面倒なので、ANSNAMの中野靖とちょっと創ってみました。
それが、これです。
馬布で、麻布で、丁寧に仕立てた Trouser です。
手間は内に隠していますが、この履き心地とシルェットはなかなかのものですよ。 

そして、これを以って二◯一五年春夏の最終アイテムとさせていただきます。

 

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